シンプルに

ものをシンプルに捉えるのは年齢が重なるにつれて難しくなってきてしまう。小さい頃は、自分が好むものだけに興味を示していた。そして楽しいものは楽しいと、嫌なものは嫌と感じそれを表現していた。しかし、成長して中学生の頃になってくると周りの空気や周りの顔色を気にして行動するようになった。何かに取り組んでも裏に何かがあるんじゃないかと考えてしまって素直にリアクションをとっていない自分もいた。

 

 

高校生になると自分は野球部に所属していた。自分たちの野球部は自分たちだ考える主体背を大事にしていた。しかし、自分は周りの考えを尊重し、周りの空気に合わせるようにして過ごしていた。2年の夏、3年生が引退して自分たちの代が引っ張って行く立場になった時、練習メニューや試合でのプランも自分で考えるようになった。その中でも、前までやっていたものを継続してやっていたため特に自分で考えて何かを新しく始めようとはしていなかった。それの方が楽だったため、変化しないことに甘えていた。

 

 

 

しかし、そんな考え方に変化が出てきたのは2年の冬のオフシーズンのことだ。基礎的な練習も増え、選手同士のミーティングが増えた。野球部には同級生が20人以上いたが、その中の一人と話す機会が増えた。その一人は、抜群に上手いわけではないが考え方が自分にないものを持っていた。それは、ものがとをシンプルに捉えて自分の意見をしっかり持っていた。だからこそ、監督やコーチの目を気にすることなく黙々と練習に取り組んでいた。自分はその姿を尊敬していた。その考え方に影響されて、物事をシンプルに考えるようにした。それからは気持ちが軽くなった。原因から成功に持って行くまでを最短で考えることができるようになった。冬を通して、体力や技術の向上はあったが何よりも考え方の変化が自分を成長させてくれた。その結果、春夏はチームの主軸を任せてもらえるまでになった。

 

 

 

 

影響を受けた同級生とは今でも連絡を取り合ったり、会うこともある。体力や技術は衰えるものだが考え方は衰えるものではない。高校生活で大きな財産を手に入れることができたと今でも思う。社会に出ると、付き合いや上下関係などがあるが自分に対してはいつまでも素直でシンプルでありたい。